知りたいなという声をいただいたので……メモがてら。
言葉固いなー、そして長いなー(笑
・前提として、魔術は万人が扱えるものではない。
生まれ持った魔力を資本として行使するものと、魔具(魔剣などの武具や、杖・鏡など多様)を媒介として行使するものに大別できる。後者は、行使者に魔力が備わっていなくても可能。
身の内に秘める魔力、魔具に備わる魔力の強さに比例して、行使できる魔術が強力になり、高度なものも扱えるようになり、同ランクでも詠唱を短縮・破棄しても行使できるようになる。
・魔術の行使には、詠唱が必要である。
そもそも魔術は、神や精霊の力、自然の力を借りて行使するものである。
故に、詠唱詞には精霊に力の貸与を請うものだったり、真理とされているものをねじ曲げる言霊が多い。
だが、魔術を行使する人間が「主」であることには変わりないので、精霊との契約が行われていたり、あるいは力でねじ伏せたり、詠唱を短縮させる要素は様々ある。つまり、破棄したらしただけの代償が負担として行使者にかかるということである。
詠唱の代わりに、印や文字を使うこともできる。
・魔術には属性がある。
魔術の基礎となる自然要素のことをエレメントと呼び、それがそのまま属性にもなっている。
炎[ファイル]、風[ウィンディル]、水[リヴィル]が三大エレメント。それに雷[エイル]、地[ラウル]を加えた五大エレメントで大半の魔術は構成されている。ごく少数だが、光や闇、属性のないものも存在する。回復術や時間・空間を操る魔術は無属性に近い。
魔術師の方にも属性があるが、同属の魔術は他属に比べて行使が楽になる程度で、他属性がまったく使えないという訳ではない。
属性は遺伝することが多い。
・魔術は万能ではない。
回復系の魔術は基本的に本人の治癒力を高める効果をもたらすのみである。体力のない者に強力な回復術をかけることは難しいし、下手をすれば逆に死期を早めてしまう恐れもある。
死者を蘇らせる“回復術”は、故に存在しない。
また、自分自身に回復術をかけても効果はないのだが、潜在の魔力を消費して治癒力の促進にあてることはできる。
・精霊との契約により、使い魔として使役することができる。
いわば主従の契である。契約の形はさまざまあるが、有事の際に力を貸す、というものが多い。同じ属性である方が契約が成立しやすい。
ただし代償は必要で、解約の際に何かを差し出すだとか、継続的に何かを提供するだとか、精霊側の要求を満たさねばならない。
・魔具の使用も、使い魔との契約に近い。
所有者を選ばない魔具も多々あるが、高度なものになると、特定の所有者にしか力を貸さない、意志を持ったも存在する。そのレベルになると、所有者の魔力と同調することで姿を消しておくことができる。
(また増えるかも)
ええとつまり。
・ユフィが一瞬で炎をまとえるのは、火炎属性であるが故の行使のしやすさに加えて、ユフィがかなりの上級魔術師であるため詠唱がいらないから。
焔帝との契約もあるけれど、そっちは別件(若作り関係)なので、ユフィの持つ攻撃性とか強さとかにはあんまり関係ないです。若干強くはなってると思いますが。
・ラインが魔剣『シルヴァブライズ』を愛用してるのはいろんな理由から。
彼諸事情ありまして、むやみに自分の魔力を消費したくないので(本編参照)、魔具を使うことで負担を軽減してるわけです。
さらに父親からもらったとか剣術が得意だとかその他もろもろ。
腰に差してないで顕現させたり消したりという描写ばかりなのは、同調云々の設定からでした。
・うちのメインメンバーはみんな上級魔術師ばかりなので、詠唱シーンほとんどなくてすみません。(←
諸事情のため本来ラインはちゃんと詠唱しなきゃならないんですけどね。簡単な魔術だと詠唱破棄しちゃうことが多いです。そのあたりでユフィやフィオナによく怒られます。
物語の中で度々登場する魔術についてのお話でしたので今回の日記も食い入るように読んでしまいました…
そこで質問ですが、『Ⅳ 越えてしまった境界の先』にて真子斗が魔術を執行するようになったという事は生まれながらにして素質を持っていたという事なのでしょうか?
作中で『俺の知る中では、全く使えないのは片手で数えられるくらいしかいない。』とあるように魔術を使えない人はとても少ないようです
真子斗がいる世界の人々の持つ潜在能力も同程度なのでしょうか、真子斗が潜在能力を持つかを確認しないままユフィアシードが申し入れを受け入れていたので
魔術の存在しない世界の生まれの人がそのような素質を持っていると言う事は、ふとした切欠で魔術を具現化させられるようになったり、この世界(地球?)でも魔術師的な存在が現れていてもおかしいない気がしました
世界観設定もさることながら作品執筆もとても大変なことだと思いますし自身も矛盾に苦しんだりする事が多いです
読んでいてたんに自身が気になった事を羅列しただけですので読み流して頂けましたら幸いです
拙い日本語とひとり言のような内容で失礼しました
問題ありましたら消却してください
これからも応援しています!
作者も忘れてる台詞とか(待て)引用してくださって……読み込んでくださってるんだなぁというのがひしひしと伝わってきます。作者冥利に尽きます!
魔術は万人が使えるものではない、と書きはしましたが、ユフィが言うように、むこうの世界(これいい加減名前欲しい……)では、使えない人の比率がかなり低いです。ただ、大概の人が魔具無しではやっていけない人達です。
えーと……うまい例かわかりませんが、何も使わずに暖炉に火をつけられる人は魔術師と呼ばれる、と言えばいいでしょうか。叩くと火がともせる杖はどの家庭にもあるけれど(ライターの要領で)、それが使えるからと言って魔術師ではない。逆に言えば、魔具の媒介無しで魔術の使える人は、ごく限られています。
そして真子斗のことですが。彼女は今まで知り得なかった世界に触れることで、潜在的に持っていた力を開花させていく……といった構想になっています。高位の魔術師であるユフィやラインの目から見ても、真子斗は「すごい」。というより、育った環境と価値観が違うので、彼らとは全く違う形で現れるため、だからこその「未知」なんですね。真子斗に属性がないのも、そのあたりのことが影響しています。
真子斗の世界(一応仮想現代)では世間一般の常識として「魔術は存在しない」ことになってますが、潜在能力はおそらく同程度です。ということで、真子斗は魔術師クラスと言えますね。
だから、ご指摘の通り、魔術師は現れてもおかしくないんです。実際、透視できる人とか、動物と話せる人とか、いわゆる超能力と呼ばれるような、常識では理解できないような力の存在がありますが……私にとっては魔術の一種なんです。そんな願望も含まれています。
無駄に長い返信申し訳ないです……!こう、読者の方に批判というか、疑問をぶつけてくださることってあんまりないので、つい嬉しくなってしまいました(^^;
貴重なご意見ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします!