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 せっかく雪が降ったし、SSを。
 前に雪降った時に友人から依頼があったのですが、書道とテストで余裕なかったんだよ……。



  + + +


「ラインさん!ラインさんおはよう、起きて!」
 少女の声に、ラインの意識はゆっくりと覚醒した。
「雪だよっ、ゆ、き!雪降った!外真っ白だよ!」
 体が重いと思えば、ソファで寝ていたのだった。そういえばそうだったなぁと少しずつ記憶が戻ってくる。
 上体を起こして髪をかきあげた。眠い。
「……そんなに珍しいですか……?」
「珍しいよ!うちの方は降っても積もらないし」
 そこでセンティレイドの冬はずっと銀世界であることを伝えると、真子斗は目を輝かせた。
「そうなの?すごい!」
 どのくらい積もっているのか確認したいなと思ったところでタイミングよく、ティアスが勢いよくカーテンを開けてくれた。
 昨夜急遽泊まっていくことになったティアスにベッドを貸していたのだった。
 ……貸したというか、自分はソファ、ティアスはベッドで喋っている間に、ティアスが寝てしまったので、仕方なくだが。
「すげぇ……ほんとに真っ白だ」
「……まだまだ積もる」
「「ほんとに?」」
 真子斗とティアスの弾んだ声が重なる。それに、そういえばアステリアも雪は積もらないんだったか、と思い出した。
「ライン様起きてる!?あ、マコトおはよー!」
 と、さらに騒々しい少年が割り込んできた。
「雪つもったよ!雪合戦しよう!」
「あたしもやりたい!」
 朝から元気なことだ、と思わず笑みがこぼれる。
「あれ、ティアスもいるじゃん。一緒にやる?」
 アーリスの提案に一瞬顔を輝かせたティアスは、しかし我に返ったように頬を赤くする。
「ばっ、誰が!雪ではしゃぐなんて」
「ティーくんはしゃいでるじゃん」
「はしゃいでない!」
 あ、これは無理してるな。
 見透かしてしまったラインは、ティアスの幼い抵抗に苦笑しつつ、では、と立ち上がる。
「私もやろうかな、雪合戦」
「えぇマジで!?」
「ほんと!?」
「わーいライン様と雪合戦!」
 大喜びの二人は、着替えてから行きますと伝えると先に中庭に走り去っていった。
「ティアスはどうする?」
 敢えて聞けば、少年は視線を外し、5秒間だけ黙って、
「……ラインがやるなら……付き合う」
 だろうと思った、と言う代わりに「じゃあ行こう」と笑ってみせる。
 まったく、子供は子供らしく遊べばいいのに。
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