忍者ブログ
+ユメイロファンタジア+
「 既に4人組じゃない 」
nameless days


skypeID = kakeru_ruki


応援
これはほんとにすばらしい
お天気戦隊ハウウェザー
プロフィール
HN:
架琉綺(カケルルキ)
年齢:
34
HP:
性別:
女性
誕生日:
1990/01/22
ブログ内検索
コメント一覧
(08/29)
(08/23)
可愛い(返信済)
(02/18)
行く(返信済)
(12/22)
無題(返信済)
(05/13)
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
バーコード
最新トラックバック
OTHERS
Powered by 忍者ブログ
Templated by TABLE ENOCH


×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 明日の文化放送テニスの王子様オンザレディオに、
 小杉十郎太さんが ご出演
 自分は追いコンなので聴けません。マンスリーパーソナリティー諏訪部さんなんだがな……!
 あぁでも23時ならなんとか……?

◆2月11日(これの2こ前)の記事に載せたスキットのその後で、センちゃんこと幾センリさまが素敵なSSを手がけてくださったので、さらに続きでSS。
 本業が絵描きだとは思えない素敵文はセンちゃんの2月12日の記事へ!
 なんかリレー小説みたいなことになってきましたね(笑
 というか、もしセンちゃんが鳥さんとラインの初対面書く気でいたら……ごめんなさい。いや、もうネタかぶってもいいと思うんだよねコラボだし!(←
 そしてなんかユフィが空気になりつつあって申し訳ないよ!



   + + +

 甘い香りの発信源と特定できた扉を開けば、思い描いたとおりの構図が広がっていた。
 ―――ただ一か所を除いては。
「あら鳥さん。いらっしゃってたのね」
「セレナートさんこんにちは。今日も美人だね」
「ふふ、ありがとう」
「親父の所にいたのか?今から呼びに行かされるところだったからちょうどよかった、鳥さんちょっと行ってこいよ」
「年上は敬うものだよティアス。命令形はないなぁ」
 マドレーヌと紅茶のいい香りのする卓を、メイドもつけずにに家族水入らずで囲む。
 苛々する程仲のいいこの家族のお茶会に潜り込むのが最近の趣味であったが、今日は事情が違った。
 既に“部外者”がいたのである。
「で、そこの人は誰?」
 この空間に馴染んでいるが故に異質に見える銀髪の男と視線を合わせ、鳥は意識して例のチェシャ猫と形容される笑みを浮かべた。
 優雅に組んでいた足を外していた彼は、鳥の言葉に静かに立ち上がった。
 あぁ隙がないな、と思う。
「ユフィさんのお友達ですか。私はラインと申します」
 胸に手を当て、にこ、と敵意の欠片もない微笑。
 その名前はつい先程の、ユフィとの会話で出てきたものだった。
「あぁ、貴方が1の人か!」
 いち? と文脈の読めない三人が揃って首を傾げる。説明するのも面倒なのでそれは無視、鳥は大仰に手を横に広げて見せた。
「ライン様には一度会ってみたかったんだよね。王様……ユフィアシード氏から話は聞いてるよ」
「おや、それは光栄な」
 俺は、と名乗ろうとしたところでタイミングよく―――否、悪く、背後のドアが開いた。
「あれ、ライン来てたのか。どうした?」
 完全に遮られた形になった鳥は、内心で舌打ちした。飴の缶を取り出してひとつ口に放り込む。
「どうしたもこうしたもありませんよ。頼まれてた雑務片付けて持ってきてさしあげたんですよ」
「おーそれはご苦労」
「取りに来いって言ってるんです通じてます?」
「ラインに負担かけんなよ馬鹿親父」
「いいじゃんかそれでラインが来てくれて結果ティアスとお茶してくんだ。なぁ?」
 あ、これ俺完全に蚊帳の外じゃんつまんねぇ。
 がり、と飴を噛み砕き、どう妨害してやろうかと策を練り始めた瞬間に、ラインが溜息をついた。
「毎度繰り返すこの不毛な言い争いは適当にして。ユフィさんの所為で彼の自己紹介聞き損なってるんですが」
 あぁそうなのそれは悪かったな、とユフィはあっさり鳥に発言権を渡し、自分は愛妻の隣に腰を下ろしてしまう。
 ごほん、とわざとらしく咳払いして、鳥は芝居がかった演説のように自己紹介を宣言することにした。
「俺の名前は極楽鳥。どうせ偽名なので鳥とでも呼んでいただきたい。歳は21。出身は、」
 とあえて理解できないはずの地名を出せば、彼は納得したような声を上げる。
「成程、あなたも“異邦人”ですか。道理で雰囲気が違うと」
「それは鳥さんの外見が奇抜って意味?」
 ティアスの問いに、ラインは顔だけ傾けて少年を見る。
「いや、纏う空気に価値観の違いが滲み出ているという意味」
 これは驚いたなぁ、と鳥はラインを見る。こことは違う世界からやってきたことを見破られている。
 ……まさか自分が口にした地名が記憶にないからという判断基準ではあるまい。それではこの世界の膨大な地名を全て記憶している計算になる。さすがに考え過ぎか。
「ユフィさんはご友人の幅が広いですね」
「くーさんの所為でいろいろな」
 そこでひとつ悪戯を思いついた。にいやり、と口許を歪める。自己紹介を妨害してきたユフィへのささやかな復讐だ。
「そうそう。俺の国では初対面の人への挨拶があるんだけど、」
 え、とユフィが面食らっている。そういうのを鳩が豆鉄砲食らったような顔っていうんだよ王様。
「初めまして、」
「―――さようなら?」
 聞こえた声は背後から。
 鳥が振り向けば、にこりと笑うラインの顔。
 視界の隅ではユフィがあからさまに安堵の溜息を漏らしている。
「……知ってたの?」
「えぇ。正解でしたか?」
「大正解だよ」
 それはよかった、とラインは静かに体重を移動させて、鳥と向かい合った。本当に隙が見つからない。
「それと、あなたが纏っていたのが殺意でなく悪意でよかった。前者だったらこれ、首に突きつけてました」
 いつの間にか左手に握られていた、細身の長剣。それはすぐに光となってかき消える。
 ―――おっとこれは……!
「やっぱりラインはすげぇなぁ……」
「ティアスにはまだ5年は早いかな」
「えぇ、そんなに!?」
 とりあえずユフィに復讐はできたようだし、鳥の興味も完全に余所へとずれていた。
「ねぇ今の何、どうやったの、何で剣が消えるの!?物理の常識完全無視だね!」
「あぁ、あなたの世界では有り得ないことですか。そのあたりに興味が?」
「とても!今のも魔術の類なの?」
「厳密に言えば違いますが……ご説明しましょうか?」
「ぜひとも!」
 これは面白い人間に出会えた。
 少なくとも、ユフィよりは会話の内容が充実しそうである。
PR
COMMENTS
TITLE

NAME

MAIL

HOME

PASS
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
TRACKBACKS
[PR]