話に出てた真子斗とティアスが絡む話。
電車座れなかったからぽちぽち打ってました。
ティアス視点だから、地の文でも「マコト」表記なんです。決してケータイで変換するのが面倒だったからじゃないんだから!(←
てか、雷が!!
いろいろパソコンで作業したかったんだけどな……今日は自重しよう。
友人の誕生祝いがどんどん遅れていく……orz
++―――++
好きな本を物色してくればいい、と、かなり疲労がたまっているらしく珍しい程不機嫌なラインに言われた。
ティアスはその言葉通りに、以前から読みたいと思っていた本を3冊ばかり書庫から選んできて、一応貸し出し許可をもらおうとラインの私室に戻り、
「……」
見知らぬ少女がそこにいて、思わず固まった。
「……あんた誰だ」
そちらも驚いたらしく目を丸くしていた少女は、あぁ、と我に返った間をおいて、
「真子斗っていいます。あなたは?」
にこ、と向けられた邪気のない笑顔。年の頃は同じくらいだろうか。ティアスは扉を後ろ手に閉めた。
「ティアスだ。ティアシーク=リアディ」
アステリア王子の名前。けれどマコトと名乗った彼女は、それを知らない様子だった。
「ティアスくんね、よろしく。ラインさんに用なら、タイミング悪かったね」
笑みを苦いものに変えて、マコトはベッドを示した。
まさに身を投げ出してそのまま、という体勢で、ラインが突っ伏している。
「うわ……爆睡体勢か」
「うん。たぶん耳元で大声出しても起きないよ」
こうなったラインは、余程の事がない限り、しばらく起きない。
それを、この子は知っている。
「……あんた、ラインと仲いいのか」
この部屋にいる時点でほぼ確定事項なのだが、一応会話の発端としてティアスが問えば、「うん、そうだよ」と返ってくる。
そこでマコトははたと何かに気づいたように、じっとティアスを見詰めて止まった。
「な……なんだよ」
「ねぇ、ティアスくんって、」
言いかけた刹那。
がば、とものすごい勢いで、ベッドのラインが身を起こした。
「……あぁ、そうだ……やり忘れが」
呆気にとられてしまった二人など完全に意識の外で、ラインは焦点の合わない目で虚空を睨んだまま、でもあれ元はユフィさんの管轄じゃないか人の仕事増やしやがっていっそそのまま送り返してやろうか眠いし、などと呟いている。
「畜生ユフィアシードめ……いつか絶対に殺してやる」
「……物騒だねラインさん」
マコトの突っ込みも聞こえていないようだ。
ティアスは一度溜息をついて、ラインに歩み寄り目の前でひらひらと手を振ってみた。
「おーいライン」
「ああ? ……あぁティアスか」
一瞬別人かと見紛う迫力を出したラインだが、ティアスのことは認識してくれたらしい。
「親父から回ってる仕事ならやんなくていいよ。俺が持って帰るぜ。済んでる分があったらそれも一緒に」
「それは……助かる」
執務室の机の上だたぶん、とありかを教えてラインは再びベッドに沈んだ。『たぶん』がやや不安な単語だが、とりあえず気にしないことにした。
「……ねぇ、もしかして」
声に振り向くと、マコトは首を傾げている。
「ティーくんのお父さんってユフィさん?」
「……………………まぁ」
間が長くなってしまったのは、認めたくないからだ。
するとマコトは顔を輝かせる。
「あー、やっぱりか! ティーくんの目の色、ユフィさんとおんなじだなと思って」
ちょっと待て、親父とも知り合いなのかというのもあるが、その前に。
「ティーくん……!?」
「だってティアスくんって呼びにくいもん」
「もん、じゃねぇよなんだそれ! だったら呼び捨てでいいっつの!」
「えーかわいいじゃんティーくんって」
「かわいくなくていい!!」
まぁまぁ、とマコトはティアスの剣幕などどこ吹く風で、座るように促してくる。
「一緒にケーキ食べようよ。セレナさんが焼いてくれたんだ」
母さんとも知り合いか、とティアスはくらりとする頭を抱えた。
どうもこいつは調子が狂う。
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