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 本日2記事め。久しぶりに例の4人組コラボでSSです。
 SSと言いつつ2500字くらいありますすみませ……!これが私の1時間クオリティだぜ!(←
 長い上に、今回文章リズムが冗長……というか、1文が長い上に句読点少なめなので、読みにくいかも……。でもよくあるネット小説みたいに改行入れるのは自分のポリシーに反するので、読者のみなさんそこはよろしく!(殴


  ++―――++

 ユフィの性格が性格なので、アステリア王城に流れる空気は非常に穏やかである。
 穏やかというと少々語弊があるかも知れない。どちらかといえば、ノリがいい。
 センティレイドのそれとは違った意味で、仲がいい。というより、身分の差を感じにくい。それもこれもユフィの性格が性格であるが故だ。
 ノリがよくて仲がよくて、それでも緊急時は対応が早いし漏洩が心配な情報は大切に扱うし、諜報員も兵士もメイドも有能な人材ばかりが揃っているのはユフィが一番よくわかっているし、感謝もしている。ただ、ノリがよくて仲がよいので、日常茶飯事なことは報告があがってこない。
 ユフィが一度「友人だ」と紹介した人は顔パスで、そんな人物が来訪しても、もてなしはすれどユフィに報告がこないことがあるのだ。
 もちろん、約束しているならユフィもそれを忘れることはないし、突然の訪問でもユフィはどこかと尋ねられたら当然ユフィに連絡がくる。アステリア王城が勝手知ったる他人の家よろしく、くつろげる空間であるのは嬉しいことだし、セレナとかティアスとかに用があるならユフィに挨拶がなくても構わない。たとえばお菓子をねだりにくるマコちゃんとか。
 構わない。構わないし余程のことがない限り、不便は感じないのだが……、たまに、ごくたまに、神出鬼没に出現されると、驚くではないか。
 そんなことをつらつらと考えながら、ユフィは我が物顔でソファを占拠している、外見が無駄に派手な男を見下ろしていた。
「やぁ王様!お邪魔してるよ!」
「……鳥……。いつからいるんだお前」
 爽やかに片手を挙げつつ卓上のクッキーを口に放り込む、アホウ……否、極楽鳥に、ユフィは眉を寄せた。
「いつから?アステリアに来たのは1時間と40分前。ティアスと父親大嫌い同盟の集会をして、『父親ってウザいよな!』ってのを再確認したあと、セレナートさんにクッキーが焼けたよと呼ばれて35分前にこの部屋に」
「……わかったもういい」
 そんなことだろうとは思っていた。ティアスに用があったのだから、ユフィに連絡もないわけだ。
 ちなみに、ユフィも小腹がすいて政務を中断してきたところである。お茶菓子はいつものように、愛妻の作る絶品スイーツ。本日はクッキーらしい。
「ちなみに、ティアスはセレナートさんと一緒に焼き上がったクッキーを取りに行ってるよ」
 加えられた一言にそうかと答えて、ユフィは鳥の向かいに座った。クッキーに手を伸ばし一口囓りながら、そういえば、と思いつく。
「……よくついていかなかったな?」
 ティアスとセレナと“家族ごっこ”をするのを最近の楽しみにしている鳥のことだから、クッキーの運搬など喜び勇んでついていくものだと思った。
 すると予想外なことに、鳥のチェシャ猫を彷彿とさせる笑みが、ほんの少しだけ―――崩れた。
「……母親とのみつどきは、邪魔しちゃいけないよ」
 単語の使用法についてはこの際目を瞑り、何故そんな表情をするのか気になって、すぐにこの男の家族構成を思い出して、納得した。
「……お前も結構常識人だな」
「そうだよ俺は常識人だよ。さらに頭がいいんだよ。口論になったら王様を言い負かす自信だってあるよやってみる?」
「いやいい、ラインで負け慣れてる」
 あぁそうじゃあ今度はライン様言い負かしてみようかな、とふざけたことを口走る鳥に、少々この二人の論争というものを傍観してみたくなった。
 クッキーを噛み砕いて、飲み込むまでの沈黙。
 ねぇ王様、とおしゃべりなインコかと思う程話題の尽きない鳥がさえずって、けれどその声に含まれていた固さに驚いたユフィは、偽物のオッドアイを正面から受け止めた。
 気に障る笑みを浮かべていない極楽鳥。
「父親ってどんな気分?息子ってどんな感じ?」
 珍しいものを見たなぁと感動する2秒、その台詞を噛み砕いて飲み込む3秒、真剣に答えを探す4秒、そして10秒目に、ユフィは苦笑した。
「どんなって言われてもなぁ。まぁ人それぞれだと思うが……、俺は、家族が何より大切だし、命を賭けても守ろうと思う。父親として」
「……うわぁ、それ言ってて恥ずかしくないの?」
 容赦ない一言に、けれどユフィは後悔を感じなかった。
「それに、家族のくくりは何も血縁関係だけじゃない。たとえばラインだって、俺にとっては息子のようなものだし、……あぁそうだ」
 そこでユフィはひとつ思いついて、けれどわざと意地悪く笑って見せた。
「俺がお前の父親代わりになってやろうか?」
 鳥の動きが、止まった。
 みるみるうちに、その表情が歪んでいく。
「……はぁ……?頭大丈夫?俺も一応21だからね?父親とか……」
 そこで鳥は大袈裟すぎる程大袈裟に溜息をついて、立ち上がった。
「帰る」
「……セレナがクッキー持ってくるんじゃないのか?」
「いいよもう今日は十分堪能させていただきました。王様ってたまに本気で馬鹿だよね」
「褒め言葉か?」
「馬鹿にしてるんだよ!」
 捨て台詞のように言い置いて、鳥は乱暴に扉を閉めていった。
 ふ、と思わず笑みがこぼれて、ユフィはクッキーをつまむ。
「……年齢どうこうじゃなく、存在の代わりはできるんと思うけどな」
 ―――もうお前は俺にとって、放ってはおけない存在になってるんだから。
 ノックの音がして、入ってきたのはセレナとティアス……ではなかった。
「ユッフィ、あっそびーにきったぜ!」
「あぁくーさん、サチコも」
 異世界の友人が、こうも重なった時間に訪ねてくるのも珍しい。とりあえず座れよと勧めると、サチコが廊下を顎で示した。
「今ひよっことすれ違ったぜぇ」
「あぁ、今までここにいたんだ」
「ひよっこのあんな顔見たことねぇが、なんかあったのかぁ?」
 サチコの台詞に、ユフィは思わず噴き出してしまった。
 状況が呑めない狂とサチコが、顔を見合わせる。
「……くーさん。息子の気持ちってわかんないものだな?」
「あぁ?いきなりどうした」
「なんでもない」
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