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 ついったのbot会話から派生ネタでお化粧話。
 鳥さんって器用そうだよね……。


「マコト」
 声がした方を見てみれば、かなり目に鮮やかなカラーリングを髪に施した男が、楽しそうに手招きしていた。
「鳥さんこんにちは。なに、どうかしたの?」
 大した用じゃないんだけどね、と笑う極楽鳥へ近づけば、彼は談話室の中へ真子斗を誘って、後ろ手に扉を閉め、背中を曲げて真子斗の視線と高さを同じにして、ぼそりと一言。
「マコトは化粧とかしないの?」
「化粧!?」
 まさかのタイミングでまさかの人に言われたので、真子斗は思わず頓狂な声をあげた。
「いや、今のまんまでも可愛いけど、化粧してもっと化けてみない?」
「ば、化ける……?」
「そう、ラインが喜ぶっていうか、ラインの反応を見た俺が喜ぶ」
「ラインさんが喜……、そ、そうかな……フィオナとかに教わった方がいいのかな」
 興味がないわけではない。ただ、今はまだそこまで必要に迫られていないしと思って、気に留めていなかった。
 それを言えば、鳥はにいやりと特有の笑みを浮かべた。
「俺がやってやるよ」
「え?」
「これでも俺、そういうの得意なんだよ? 俺も眉描いてたりするし」
 得意というのは納得できる。外見に気を遣う人でなければ……まぁ、なんというか、この頭は似合わないだろうと、真子斗でも思う。
「じゃ……じゃあ、お願いしよう……かな」
「大歓迎! じゃあここ座って。ラインには秘密、ね。思いっきり化けよう、ね?」

 言うだけあって、鳥の手際はよかった。
 けれど真子斗の方は、化粧などするのもされるのも慣れていないから―――いろいろと心構えが大変で。
「……鳥さん、今何してるの?」
「アイラインひいてるの」
「それなに?」
「うわ急に目開けるなよ」
 あぁごめん、と真子斗は目を閉じた。一瞬復活した視界では、鳥が鉛筆のようなものを持っていた……気がする。
「鳥さんすごいね。どこで覚えたの?」
「いろいろと。とりあえず失敗するから喋らないで」
「髪も自分で染めたの?」
「ちょっとマコト、言葉通じてる? 今度喋ったら覚悟しろよ」
「え、覚悟って何?」
「だから!!」
 扉が開く音がした。
 真子斗が目を開ければ、瞬時に振り向く鳥の髪が揺れるのと、扉の隙間から顔を覗かせるラインが見えて―――
「おっとライン様! これはこれはこんにちは!」
 若干声を引きつらせた鳥が、真子斗を隠すような位置に体をずらした。
「おや鳥さん、いらっしゃい。一緒にいるのは……マコトさんですか?」
「うんそうだ……よ?」
 肩越しに真子斗を見る鳥は、眉根を寄せて口許に立てた人差し指を当てている。
 そこでようやく真子斗は思い出した。ラインには秘密、だ。
「……何してるんです?」
「いやいやこっちの話。ラインこそどうしたの」
「あぁ……これから伯父上がいらっしゃるので、どこで応対しようかと」
「あれ、もしかしてこの部屋使いたい?」
「いえ、使っているなら応接室に通しますから大丈夫です。お邪魔してすみませんでした」
「こちらこそ勝手に拝借してすみませんでした」
 構いませんよごゆっくり、と笑顔を残して、ラインはあっさりと去っていった。
 途端に鳥が、はぁ、と溜息と同時に肩の力を抜く。
「焦った……見つかるところだった」
「ね。びっくり」
 鳥は気を取り直したようにメイク道具を手に取り、作業を再開しようとして―――止まった。
「……ラインはマコトが俺と二人っきりでいても、腹立てたりしないんだな……聖人君子か」
「怒る? なんで?」
 本当にわからなくて真子斗が問えば、鳥は砂でも噛んだような顔をした。
「あれだ……マコトは人を疑うことを知らなさすぎる。そして君もラインもお互いを信用しすぎる」
「え?」
「いやいいよ……俺じゃ介入できないくらいに甘いねという話だから」
 わけがわからなくて、けれど目をつぶってと言われたので、真子斗は素直に鳥の言葉に従った。

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